日本人が勘違いしがちな、英語に関する3つのこと

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30代半ば~40代半ばの人を対象に英語学習のコンサルティングをしていますが、クライアントの大部分は仕事をしている社会人です。仕事で英語が必要だから、もしくは必要になったから英語を学びなおしている、という人がほとんどです。

今回はそういった、仕事で英語が必要になったという日本人が勘違いしがちな3つのことを紹介します。

1. 日本語でできないことは、英語でもできない。

何人であろうと、母語でできないことは、他の言語でもできません。つまり母語が日本語である日本人の場合、日本語でできないことは英語でもできません。

例えば、日本語でデザイナーとして働いたことがない人が、英語でデザイン業務をこなせるでしょうか?日本語で仕事をしていてマネージメント能力のない人が、英語だとマネージメント能力を発揮できたりするでしょうか?

それなのに英語ができるという理由だけで採用してしまい、その人が実は肝心の仕事ができず、現場のスタッフ達が困っている…ということが実際に起きています。

英語ができるにこしたことはありませんが、社会人に必要なのは仕事ができること。まず自分の担当業務をしっかりこなすことです。その後に英語を学び直しても十分対応できます。

2. 英語ができるから偉い訳ではない。

アメリカやイギリス在住、もしくは過去に住んでいた日本人で、英語ができることを鼻にかけているタイプの人に何回か遭遇したことがあります。そういった人たちは、こちらが日本語英語含めて3か国語話せるトライリンガルだとわかると、ころっと態度を変えるのです。

日本語しかできない日本人と比べて、日本語と英語ができる自分は優れていると考えているのかもしれません。その理屈だと、2種類の言語ができる人間よりも、3種類の言語ができる人間はさらに優れていることになります。だから態度を変えたのでしょう。

しかし現実には、英語ができるから偉いという理由はありませんし、筆者自身3か国語できるから偉いと思ったこともありません。ただ一般的な日本人よりは、語学学習に長い時間や労力を費やしてきただけです。

そもそも、世界には3か国語、4か国語話せる人がゴロゴロいます。アジアやヨーロッパを例にとっても、香港人の友人は広東語、北京語、英語を、マレーシア人のクラスメイトはマレー語、英語、広東語、北京語を話していました。スペイン人の友人たちは、スペイン語、英語、カタルーニャ語を解します。

上記は実際に体験したケースの一部ですが、彼らは英語ができる自分は偉いという態度はとっていません。ただし中華圏の人の場合、英語ができない人を下に見る傾向はあります。

日本人からすると、英語の習得はそれなりに時間も労力もかかりますから、英語が達者になるとそれを誇りたくなる気持ちもわからなくはありません。しかし繰り返しますが、英語ができるから偉い訳ではないですし、先に挙げたように、社会人であれば仕事ができることの方がより重要です。

3. 全ての外国人が英語を話せる訳ではない。

イギリスやアメリカ、オーストラリアなど、英語を公用語とする国では、基本的にその国で生まれ育った国民は英語を話せます。しかし、日本を含め英語が公用語ではない国では、もちろん国民全員が英語を話せる訳ではありません。英語以外の公用語がある訳ですから。

日本語と比較して、英語に近い言語を母語とするヨーロッパの人でも、英語を話せない人はいます。スウェーデンでも、スペインでも、英語ができないという人に会ったことがありますが、移民ではなく、生粋のスウェーデン人、スペイン人の人達です。いずれの国でも若い人たちはだいたい英語が話せますが、その親世代、祖父母世代は必ずしもそうではありません。

1つ目、2つ目の内容にも関係しますが、英語を公用語としない国では、仕事で英語を必要とする人以外は、英語ができなくてもいいのです。日本に生まれ育った日本人であれば、まずは日本語で仕事をしっかりこなすことです。そのうえで、英語が必要な人だけ、英語ができれば良いのです。

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