外国人との接し方、7つのポイント

タイトル画像:外国人との接し方、コミュニケーションの7つのポイント 文化

筆者は今までに約40ヵ国を訪れ、様々な国の人と一緒に学んだり、働いたりしてきましたが、一つとして日本と同じ文化の国はありませんでした。いつだったか「日本の常識、世界の非常識」という言葉がありましたが、日本の常識は日本でしか、日本人同士でしか通じないのです。それは文化が異なると、常識も異なるからです。

英語やその他の外国語を学んでいる人は、実際にその言語でコミュニケーションがとれるようになってくると、言葉以外にも日本人と外国人に違いがあることに気づいてきます。英語や外国語を学んでいない人、興味がない人でも、日本で外国人が増えている現状では、予想外に外国人と接して、どう接すればよいのかよくわからない人もいるでしょう。

今回は、日本人が外国人と接する時に、大枠で頭に入れておいた方が良いポイントと対処法を紹介します。これらの内容を頭に入れた後、国ごと、地域ごとの文化の違いを調べて、対応することをおすすめします。

※ここでの日本人とは、日本で生まれ育った生粋の日本人としています。

1. はっきり言う

まず、曖昧な表現を避けて、はっきり言うことです。なぜなら、日本人同士であれば多少曖昧な表現であっても察することができますが、日本人以外の人は同じようにはできないからです。基本的に、「日本人以外の人は察することをしない」と考えておく方が良いです。

職場などで指示を出す時はなおさらです。相手が誤解することのないよう、良いことは良い、ダメなことはダメ、特に「No」と言う必要がある時は、明確に「No」と言いましょう。

2. 理由を説明する

では実際に、外国人相手に何かはっきり言うと、どうなるでしょうか?「何で?」という答えが返ってくることが多いです。仕事で「これをやって」とはっきり指示を出しても、日本人が想像するよりもはるかに多く、「何で?」という答えが返ってきます。

理由なしに言われた通りにする外国人は、ほとんどいないと考えた方が賢明です。よって、これをやってと指示を出す時や、何かを頼む時は、「こういう理由があるから、これをやって」というように、必ず理由を説明しましょう。

そもそも外国人とやり取りすると、どうしても理由を説明する状況が多くなります。日本と他国の文化が異なるからなのですが、友人同士の会話でも、「これは何?あれは何?」、「何で日本はこうなの?」と色々質問され、説明するのに疲れてくるのは事実です。その位ググれよと思ったら、そう言って構いません。

上記2つは、「日本人側が行動する時に、気を付けた方が良いポイント」です。ここからは、「外国人を相手にする時に、意識しておいた方が良いポイント」と対応策を説明します。

3. (相手は)謝らない

日本人の場合、例え自分が悪くなかったとしても、その後のことを考えて、とりあえず「すみません」と一言言う経験をしたことがある人もいるでしょう。しかし、日本人以外は、基本的に謝らないと思っておいた方が良いです。仮に「すみません」が謝罪の意味でなかったとしても、です。

もちろん、電車内で人にぶつかった場合などは、外国人でも謝る人はいます。ところが、日本の職場や学校、また公共の場でこういうことは日本でやってはダメだよと注意すると、素直に応じないケースが多いです。大勢の人の前で叱責している訳ではありませんし、大声で怒鳴りつけている訳でもありません。1対1で、静かにこれは日本ではダメなんだよ、と伝えてもです。

自分が悪くなければ、絶対に謝りませんし、自分が悪くても謝りません。指示通りにやらず失敗しているから注意しているのに、それでも謝りません。最近日本で高評価の、スウェーデン人も台湾人も謝りません。これも文化の違いではありますが、日本人側に被害が出ていても謝りませんから、日本人はストレスがたまる一方です。

4. (相手は)言い訳を言う

上記のように、自分の過失でも謝らないので、どうするかと言うと…謝る代わりに言い訳を言います。言い訳だけは一人前です。場合によっては、他人のせいにします。日本人が自分のミスで失敗した時に、言い訳しようものならどうなるでしょうか?

筆者が今までに遭遇した言い訳から具体例をあげると、イギリス人の「誰もそれを教えてくれなかった」、スウェーデン人の「誤解しないで~」、台湾人の「外国人だからわからない」といったあたりでしょうか。どれも本人が悪いのですが、すみません的な一言は一切なく、代わりにこういった言い訳を瞬時に繰り出してくるのは見事です。生粋の日本人には到底真似ができません。

5. (相手は)嘘をつく

日本には「噓つきは泥棒の始まり」、「嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる」といった表現があります。これはつまり、「日本文化は嘘をつくことは良くないとする文化」ということを意味します。ところが日本の外には、「騙される方が悪い」、「嘘も100回言えば真実になる」という言葉のように、嘘をつくことを悪いと思わない文化圏が普通に存在します。口がうまいのでごまかされがちですが、アメリカ人やイギリス人、ドイツ人といった西洋文化圏の人たちも嘘をつきます。中国人だけではなく、台湾人も平気で嘘をつきます。

文化が異なると、自分の利益や面子のためには、嘘をつくことを何とも思ってない人たちが自分の想像以上に多くいると、頭に入れておいて損はしません。

6. (相手は)規則、法律を守らない。契約を守らない。

日本人は全体的に、決められた規則や法律をしっかり守る人が多いです。日本人はルールを守ってばかりだと馬鹿にする外国人がいるかもしれませんが、規則や法律の順守は本来良いことですからね。これは日本人が誇ってよいことです。

また、国が違うと規則や法律が異なるのは当然ですから、現地の規則や法律を守ることは、どこの国にいても大前提です。

その一方で、そもそも規則や法律を守ろうとしない文化もあります。例えば、台湾を含む中華圏では、「上に政策あれば、下に対策あり」という言い回しがあります。「上、つまり政府に政策があれば、その下にいる人々はその政策に対策を講じる」という意味なのですが、現実には「政府が新しい法律を作っても、人々は対策して抜け道を見つけ出す」といったことになってしまっています。筆者はこの表現を台湾のニュースで見て初めて知ったのですが、法律を守るという考えが全くない…とつっこまざるを得ませんでした。しかも他国に行っても、他国の法律の抜け道を見つけて対策してしまうので、頭が痛くなります。

また、中華圏では全体的に、一度契約書を交わしても、その契約書の内容を変更したり破棄したりしてきます。筆者も台湾に住んでいる時、台湾人に契約書を破棄されました。これも文化の違いではありますが、日本人からすると契約書を交わす意味がありません。

7. 罰金とペナルティ

はっきり言って、理由を説明しても、本人のミスで失敗したのに謝らないし言い訳するし、挙句の果てに嘘も言うし、規則も法律も守らないし…ではどうするか、という話になりますね。一つの方法としては、「罰金とペナルティ」を科すことです。厳密には、罰金もペナルティ(罰則)の一つなのですが、お金を強調するために、「罰金とペナルティ」としています。何人であっても、人はお金がかかるとなると態度が変わるからです。また、何かしら言い訳して、お金を払わず逃げる人もいるので、ペナルティもセットです。

やってはいけないことをやったら「罰金いくら」と最初に明示し、やるなと言ったのに実際やったら、罰金を徴収することです。ペナルティの具体例としては、留学ビザや労働ビザで日本にいる人であれば、ビザの取り消し、場合によっては強制送還など。

コロナ前、留学ビザで台湾に滞在している日本人が、本人の勘違いから滞在期限を1週間過ぎてしまい、空港でそれが発覚したことがありました。本人のミスなのですが、日本に帰国する航空券を既に持っていたので意図的ではないと判断され、そのまま日本に帰国できましたが、一年間に台湾に入国禁止というペナルティを科されました。なぜなら、不法滞在になっていたからです。不法滞在は犯罪です。期限なく滞在できるのは、自国民だけです。空港で帰りの航空券を持っていたためにこれで済みましたが、他の場所だったならば罰金もつくでしょう。

ルールをきちんと守っている人は、罰金もペナルティも科されることはありませんから、心配は無用です。一部の規則や法律を守らない人だけが対象になる訳ですから、罰金とペナルティを設定しましょう。

ここまで読んできてどうでしょうか。正直、面倒くさいと思う人がそれなりにいるのではないでしょうか。そう、日本人同士でやり取りするよりも、外国人とやり取りする方が面倒なことが増えるのです。こういった面倒なことを上回るメリットがなければ、外国人と付き合わないという選択肢もあります。メリットがあるという人、メリットがあまりないけれど仕事上外国人と付き合わざるをえないという人は、上記の7つのポイントを頭に入れて、行動してみてください。

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