英語を含めた外国語は、年を取ってからでも学ぶことができますし、上達も可能です。クライアントの中から実例を挙げると、40代半ばで英語を使う仕事に転職した日本人がいます。どちらかというと学生時代から英語が苦手だったという人ですが、その後2年間で、英語での資料作成やプレゼンもこなせるレベルになりました。もちろん、若い頃に学び始めた方が習得に有利であることは事実ですが、以下の4点を意識して実行することで、30代でも40代でも十分対応できます。英語の部分を他の外国語に替えても、同様です。
1. 目的を明確にする
まず、何のために英語を学ぶのか、目的を明確にしましょう。クライアントで一番多いのは、仕事で必要になったからというケースです。つまり、目的は「仕事で使うため」ということになります。一方で、「海外の大学や大学院に入学するため」という人もいれば、「個人で海外旅行に行く時に、現地で問題なくやりとりできるようになるため」という人もいます。
英語を学ぶと言っても、仕事で必要なのか、学業で必要なのか、それ以外のケースなのかで、この後の話が変わってきます。英語を学ぶ目的を明らかにすることが先決です。
2. より具体的な目標を設定する
英語を学ぶ目的を明確にした後は、より具体的な目標を設定します。
仕事で英語が必要になった人を例にとっても、業務内容によって様々なケースがあるからです。主にメールやチャットで英語が必要だという人は、「英語でメールやチャットの読み書きをできるようになる」、ということが具体的な目標になります。海外からの顧客と英語での会話が求められるという人は、「英語で会話できるよう、スピーキングとリスニング能力を伸ばす」、といった具合です。
海外の大学や大学院を目指す人は、IELTSやTOEFLといったテストで、求められるスコアをクリアする必要があります。よって「次のテストで、スコア何点をとる」といったことが具体的な目標になってきます。自分の目的に合わせて、はっきりとした目標に落とし込んでいきましょう。
3. 期間を区切って取り組む
具体的な目標を決めたら、次は期間を区切って取り組むことです。
学生時代は中間テストや期末テストといった試験が定期的にありますから、それに合わせて学習を進めていきました。ところが社会人になると、仕事に関係ある試験の受験などを除けば、こういった何か学ぶことに関する期日は余りありません。その結果、仕事が忙しいと英語の学習は後回しになっていきます。
しかし、外国語の学習は、短期間に集中して取り組む方が圧倒的に頭に入りやすいものです。時間があいてしまうと、昔に学んだ個所から忘れていくからです。今月末までにテキストを一冊終わらせる。1ヵ月でライティングの課題を30本提出する。といったように、1ヵ月、3ヵ月、半年、1年と可能な限り期間を区切って学習していきましょう。
4. 必要な時には、お金を払う~有料サービスを利用する
インターネットやスマホが広く普及した現在では、やろうと思えば、無料で英語を学ぶことも可能です。実際、数多くの英語学習法や情報が無料で公開されていますから、大いに活用してください。
その一方で、社会人の場合は時間が限られています。何月何日までに試験で必要なスコアを取得する必要がある人、またいついつまでに仕事でこういうことができるようになる必要があるという人は、お金を払って有料のサービスを利用しましょう。特にスピーキング、ライティングは、ネイティブや上級者のフィードバックがある方が上達も早いです。
3つ目のポイントとも関連しますが、特に締め切りがないと集中できず、ダラダラとやってしまうという人には、お金を払って1ヵ月や3ヵ月の短期集中コースを受講することを勧めています。
人間、タダでは本気で取り組まない人が多いからです。
何より社会人にとって、自分で稼いだお金で授業料を支払うことは、真剣に何かを学ぶ方法の一つとして大いに有効です。