どこの国の人にも、本音と建前はある~外国人の本音

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「外国人には本音と建前がない」などと書いているメディアや、それを信じている日本人がいるようですが、そんなことはありません。日本人が「本音と建前」を使い分けながら生活しているように、他国の人も「本音と建前」をしっかり使い分けています。職場であったり、大勢の人の前であったり、相手との関係性によっては、「建前」しか言わない、もしくは言えないこともあります。また、どこの国の人であっても、会ったばかりの人と付き合いが長い人では、対応が違ってくるのは当然のことです。つまり、外国人もいつも本音を言っている訳ではないのです。

●文化の違いによる、本音と建前

加えて、文化の違いもあります。アメリカ人には、日本人が想像するよりも遥かに、本音と建前があります。表向きポジティブであることをよしとする社会なのもありますが、特に仕事の場面では、ポジティブな表現で思い切り建前を伝えてきます。イギリス人も、本音と建前がありすぎて、他国でネタになるくらいです。イギリス人からすると、皮肉であったりもするのですが、イギリス人以外はわかりようがないレベルです。この辺りは、『異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』を読むと、大枠を理解することができます。仕事上の評価について、アメリカ人とフランス人の間で大きな誤解が生じたケースなど、具体例を学べます。

●アメリカ人、スウェーデン人、台湾人の本音

では、外国人の本音の具体例として、筆者が実際に言われたことを以下に紹介します。どの人もそれなりに付き合いが長い人たちで、話の流れからたまたま移民のことにふれた時、彼らの本音が出てきました。

・アメリカ人の本音

「正面の家から、一日に何度もお祈りの音が聞こえてきて、右隣の家からは香辛料のキツイ匂いがして、左隣の家はゴミ捨てのルールを守らないの。そういう状況を想像できる?日本のような単一民族の国がうらやましい。」ルーツはヨーロッパ系白人の人です。

・スウェーデン人の本音

生粋のスウェーデン人のコメント、「古くはハンガリーのように、スウェーデンには他の国から移民が来ますが、あれは侵略です。」

・台湾人の本音

生粋の台湾人の意見、「台湾に東南アジアからの出稼ぎ外国人が増えて、休みの日に集まっているけれど、あれは嫌だ。」

●本音なのか建前なのかを確認すること

要するに、アメリカ人もスウェーデン人も台湾人も、本音では移民が嫌なのです。しかし、職場でも、大勢の人の前でも言えません。もちろん、マスメディアに対しても言えません。差別と言われ非難されるからです。

ここに挙げた例は一例ですし、筆者も全てのアメリカ人やスウェーデン人、台湾人に質問した訳ではありません。ただ例えば、スウェーデンを例に考えると、以下のような事件が起こり、ニュースになっている訳ですから、移民を大量に受け入れることは現実的に様々な問題を引き起こしていると言えます。実際に犯罪を起こしたことや財政負担になっていることを指摘するのは、差別ではありません。事実を指摘することも差別と言うのであれば、それば言論弾圧の類になってきます。

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日本のマスメディアからは、こういった移民によって生じた犯罪やネガティブな側面の事実を取材したニュースがあまり出てきません。ジャーナリズムに関わる人たちには、専門家とは別に、移民を受け入れる側の「ごく普通の市井の人々の本音」も取材して引き出して欲しいものです。我々個人個人も、他国の人の意見が本音なのか建前なのか、まずそこを意識して確認していきましょう。日本人だけでなく、他の国の人にも本音と建前はあるのですから。

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